やりがい搾取とは、経営者が従業員に金銭的な報酬の代わりに「やりがい」を強く押し付けて、安い給与や不当な条件で雇用することを指します。

今回はやりがい搾取の概要について紹介するとともに、やりがい搾取の被害に遭いやすい職種や、ディズニーとやりがい搾取の関係を解説します。

やりがい搾取とは何か?

やりがい搾取は、東京大学教授の本田由紀氏が2007年ごろから著書や論文などで指摘され始めました。ここでは、やりがい搾取によって起きる問題を紹介します。

やりがい搾取の問題1.心身の健康を害してしまう

やりがい搾取をしている企業で働いていると、心と身体の健康を損なってしまう可能性があります。

たとえば、「何時間残業してでも、やりがいやお客様の感謝のために働かなければいけない」というやりがい搾取している会社で働いていると、何時間でも働くはめになり、睡眠不足やストレス過多などの健康被害を被ることになります。

やりがい搾取の問題2.業界全体の賃金相場が下がる

やりがい搾取が横行すると、正当な評価や報酬を受け取らないで働くことが当たり前になってしまいます。

1つの会社でやりがい搾取が当たり前になると、同じような業界や職種の会社が「自社でも、低賃金で雇っても問題なさそう」と考え始める可能性があります。

その結果、その業界や職種全体の賃金が下がり、働いている人が正当な評価をされない状況に陥ってしまいます。

やりがい搾取の問題3.従業員の自信がなくなってしまう

やりがい搾取が起きると、その会社で働いている人が、自分の仕事に対して自信を無くしてしまうという問題もあります。

つらい仕事や環境でも、自分の夢のために頑張っている人が「自分はやりがい搾取の被害に遭っているのかも?」と思ってしまったら、職場を疑ってしまうかもしまい、挫折することもあるようです。

やりがい搾取されがちな職種は?

職種の中には、やりがい搾取が起きやすい職種と、されにくい職種があります。ここでは、やりがい搾取が起きやすい職種を3つ紹介します。

サービス業の現場職

飲食やアミューズメントといったサービス業の内、特に店舗で働く現場職は、顧客である消費者と距離が近いため「お客様から感謝や笑顔をいただく」という名目でやりがい搾取が起きがちです。

実際、様々な飲食店や遊園地などで、やりがい搾取が原因の訴訟問題が起きています。

サービス業でのやりがい搾取は、スタッフだけではなく、店長職でもよく起きる問題です。

店舗の売り上げを高めて、将来は独立したいという夢を持っている店長も少なくないですが、そのような店長の夢ややりがいを搾取しているケースもあります。

店長は正社員のため、アルバイトと違いいくら働いても給料はほとんど同じです。経営者側が、人件費を削減するためにアルバイトのシフトを減らして、店長の業務時間だけを増やそうとして訴えられた会社もあります。

漫画・アニメ・ゲームなどのクリエイター

漫画やアニメ、ゲームなどを制作する、エンターテイメント事業を行っている企業で働いているクリエイターも、やりがい搾取をされがちです。

自分の好きな漫画やアニメ、ゲームを作りたいという気持ちを利用されて、不当な低賃金で雇うやりがい搾取が起きることも珍しくありません。

塾や学校の講師・教師

学習塾や公立学校で生徒を教える講師や教師も、やりがい搾取をされている可能性が高いです。「生徒の成長のため」という言葉だけで、授業やテストの準備や成績づけを業務時間外に行う人も多い職種です。中学校以上であれば、休日は顧問をしている部活動に参加しなければなりません。

子供の成長は確かにやりがいですが、それだけでは生活することが出来ません。

ディズニーはやりがい搾取なのか?

2018年に契約社員が訴訟を起こしたディズニーですが、ディズニーもやりがい搾取といえるのでしょうか。

契約社員はやりがい搾取されているかも?

ディズニーの働き方ややりがい搾取で問題になっているのは、正社員よりも契約社員のようです。契約社員は正社員登用をチラつかせられながら、過酷なショーに何回も出たり、逆に全く仕事がなくて賃金が支払われないという問題が起きることもあるようです。

ディズニーの社風がやりがい搾取を生み出している?

ディズニーはご存知の通り、「お客様をおもてなしする姿勢」や「お客様に喜んでもらおうとする心」をとても大事にする社風です。お客様が喜んでくれることがやりがいで仕事を頑張っているディズニースタッフも多いでしょう。

その圧倒的なやりがいだけに目を向けてしまうと、金銭的な報酬が世間一般よりも低いことに従業員が気づけないで、やりがい搾取が発生してしまうこともあるのでしょうか。

やりがいも報酬もバランスよく!

やりがい搾取自体は問題ですが、やりがいも無く金銭的報酬だけで仕事をしつづけても、ふとした時にとても辛い思いをすることもあります。

やりがいを感じられる上に、やりがい搾取とは言えない一定水準以上の報酬ももらえる仕事に就けるよう、就職活動を頑張りましょう。

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